近居とは親世帯と子世帯が一定距離以内にそれぞれの居宅を構え、何かあれば相互に補完しあえる生活様式のことを指します。同居とは異なりますので通常はそれぞれに生活しますが、容易に行き来できる距離に住んでいますので困ったことがあった場合にも助け合うことが可能なのです。二世帯住宅を含む同居であれば常に同じ場所で生活しますので、場合によっては気が休まらないという事もあります。しかし、離れた場所で暮らしているのでは、いざという時にも駆けつけることも容易ではなくなります。
かつては、祖父母から孫の世代まで同じ屋根の下で暮らしていたのですが、社会状況の変化にも伴い核家族化が進みました。ただ、それでは親が子に伝え残したい事があっても簡単にはできませんし、子世代が親の面倒を見てあげたくてもすぐに動くことも難しい状態になってしまいます。同居することで起こり得る諸問題も解決でき、プライベートを守りながら安心して生活できる近居がもてはやされる理由でもあるのです。この近居とはどの程度の距離を保つものかというと、具体的な距離や時間が定められてはいません。
諸問題が発生した時にお互いが、容易に行き来できる場所であることが重要なのです。どのような生活形態であっても、誰かが我慢しなければならない事が出てくるのは当然で仕方のないことです。ただ、近居という生活様式をより入れる事によりお互いに助け合うこともでき、プライベートも保持できるというメリットがあることだけでも理解すべきです。