実家から近い距離にあえて住居を構えることを、近居と言います。昔は親世帯とその子世帯が一緒に住むという、同居が主流でした。ところが、共働きが一般的になった今親世帯との時間帯が合わず、生活が乱れるといったデメリットが発生することがあります。近居であれば、家が別になるのでお互いのライフスタイルに干渉することがありません。
近居の定義はさまざまですが、一般的には実家と子どもの家が車や公共交通機関で1時間程度で行き来が出来るもの、と言われています。このくらいの距離であれば、お互いに何かトラブルが発生したときに助け合えるというのです。親世帯は年齢を重ねるごとに、怪我や病気のリスクが高まります。そんな時、近くの子どもが病院に連れていくことや、付き添いが出来るのです。
実は、近居は現代社会が生み出したものという側面もあります。保育園などは、親世帯と同居である場合なかなか入園を受付してくれないという現状があるのです。親世帯が子どもの面倒を見てくれる、という判断ですが現実はそうはいかないケースが多く、共働きの子世帯の悩みとなっています。同居の場合は、親が子と生活していると介護サービスを受けられないといった問題もあるものです。
そうしたトラブルを解決するためにも、近居は最適な距離での生活と言えるのではないでしょうか。しかし、もちろんデメリットがあることも忘れてはいけません。過干渉や他の兄妹との問題も発生することがあります。よく両親や夫婦で話し合いながら、住まいを決めるべきでしょう。